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INTERVIEW

子供たちにも、もっと美しい地球を創りたいという想いがある

INTERVIEW

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ロックシンガーTOSHI インタビュー / 2010.5
聞き手 : ヴァリアントユニバーシティー 理事長 三輪有子

ロックシンガーのTOSHI、XJAPANの再結成を経て、エコに興味のある若者たちを中心につくったエコロックバンド「T-EARTH」を結成。国境を越えて活躍するTOSHIさんの生い立ちから今後の意気込みまでを大いに語ってもらいました。

本当にやりたかったこと

― TOSHIさんの今までの生い立ちをぜひ聞かせていただきたいと思います。どんな人でも挫折はあると思いますが、TOSHIさんはそれを乗り越えていく過程でどんなことがあったのでしょうか?

TOSHI 本当にいろいろなことがありました。その中で1番大きいのは今から10数年前、当時バンドをやっていた時に、独立して自分の本当にやりたいことを実践したいと決心した時のことです。
その時が1番大きな逆境になりました。嫌がっている私を無理やり脅迫したりしてやらせるような、そんなマネージメントで横暴を振るう実兄や、取り巻きの連中からなんとか逃れ、まっとうにまっすぐに生きたかったのです。そうはさせまいと兄らが悪徳弁護士や悪質なマスコミ関係者らと共謀して、虚偽の騒動を仕立て上げたりして、本当につらく苦しく悔しい思いをしてきました。スターにはなったものの、心身ともに疲れ果てていました。

本質的なものを求めて

TOSHI ミュージシャンであると同時に、経営者、事業家でないと、本当にやりたいことは出来ないということを知りました。まだまだ駆け出しですが、この10年間、アーティストとしての大切なことを学び経験させていただいてきたのと同時に、経営やマネージメントのことも少しずつですが、勉強、経験してきました。レコーディングやコンサートを作るところから始めました。

― 今はだいぶパワフルに活動をされていますよね。その転機となった出来事はなにかあるんですか?

TOSHI 本当にやりたいことを、共に生きれる仲間たちと、やれること。本当に好きなことをやれること。そのことこそが、パワフルな活動の源です。以前は脅迫や無理やりやらされるような、ひどいところにおりましたから、そこからしたら、今がどれだけ幸せか。

全国の老人施設を回りはじめて

TOSHI 始めて施設に行ったときは、関係者に「お爺ちゃん、お婆ちゃん、に抱きしめてもらって愛してもらってこい」なんていわれて、物は試しだと思っていったんです。認知症のお爺ちゃんお婆ちゃんたちが車椅子に座って20人ぐらい、「僕はTOSHIです」って言っても「誰だ?」って言われて、内心では凄くびびっちゃった。自分の地位や名声が通用しない僕にとっては最高の経験だったんですけど、その時は怖くて怖くてしょうがなかった。

― お爺ちゃんたちにTOSHIさんの歌は響きましたか?

TOSHI そのお爺ちゃんたちが泣き出して、それを見ていたスタッフの方も泣き出して、もうなんとも言えない空間になっていった。帰るときには、みんなで見送りにきてくれて、泣きながら手を握ってくれ「ありがとう」と伝えてもらった時に、本当に腰が抜けそうになった。僕が失って取り戻したいものがある様な気がしました。このこみ上げるような感動?が僕にとっては凄い大切なものかもしれないと思えたんです。
 それから今度は自分の意志で、丸6年間ほとんど毎日、コンサートやイベントの合間に1万2千ヶ所ぐらいボランティアミニコンサートとして各種施設に訪問しました。そこで得たもの、それは「本質的な音楽は国境やへだたりを越える」どんな境遇のどんな人にだって本質的な音楽は心に響くんだと言うことを知ったんです。

エコロックバンドへ

― 最近では地球環境をテーマにした「TOSHI with T-EARTH」を結成して活躍されていますね。

TOSHI 今回僕は、「T-EARTH」という恐らく世界で初めてのエコや環境をテーマにしたロックバンドを創りました。いまどき、エコや環境や本質を避けていて何がロックだと、30年ロックをやってきた僕としてはそう思うんです。時代の最先端であるロックであれば、そのような本質的なロックバンドが必要だと思ったんです。オーディションで決めたのですが小学生6年生のドラム、18歳のギター、一番年上でも24歳でベース、みんな音楽が大好き。エコが大好き。ルックス、ハートが純粋、そういうメンバーを集めたんです。だから本当の意味で最強、最新鋭、最先端の楽曲をフレッシュなバンドのメンバーと叫べることは本当に楽しいですね。

この美しい地球に貢献したい

― 今まで人と違うことをやってこられて、人を感動させてきたと思うんですけど、今後はどういったことが起きるんだと思いますか?

TOSHI そうですね。今やっと「ヒーリングアースプロジェクト」が始まって、いよいよスタートラインに立ったと思います。様々な方々との出会いを初め、その後、同じようなハートを持ったいろいろなジャンルの方々に出会ったり、歌を聴いていただく機会を積極的に設けて、いろんな方に歌を聴いていただいて、感動を共にした政界、財界、あらゆる方と繋がっていった。共に、得意分野を担い合って、コラボレーションして、美しい地球に創り、子供たちの美しい未来に貢献したいです。

― 子供たちにもエコ意識が芽生えているようですね。

TOSHI そうなんです。ヒーリングアースプロジェクトのプレスパーティを行った時に京都で一番大きな学習塾をやっている友人が参加してくれたのですが、彼にスピーチしてもらったときに、彼が小学校五、六年生の京大や東大を目指す子供たちに将来何になりたのかって質問したら、ほとんどの子供たちが、学者や科学者になりたって答えたんだそうです、なぜかというと地球環境を良くしたいからというのが子供達の答えだったんです。うちのメンバーにしても、そういう子供たちにしても、自然に「地球貢献のために自分の力や才能を使いたい」そういう気持ちがある新しい時代になったんだなと感じます。いくら地位や名誉があっても空しかったのは、それがゴールじゃなかったからなのかなと思います。その得た地位や名声をどう使うか?みんないろいろな才能や、特徴がある。 もっと美しい地球を創りたいという想いから、もっと豊かになりたいという本質を持って、それぞれが補いあって、力を発揮しあってコラボレーションしてあらゆることに取り組むなら、それこそ、共に生きる、共生の時代ヘとシフトしていくのかなぁと思います。

― 私も本当に期待して、出来る限りお手伝いをしたいと思っています。最後に一言、メッセージをお願いします。

TOSHI ぜひ生でライブやコンサートを見ていただきたいと思います。いろいろな立場の方に僕のコンサートで実際に聴いて頂いきたい。会社のコンサートや学校のコンサートなど、身近なコンサートもやっていますから、ぜひ開催いただきたいですね。また、T-EARTHのほかにも、TOSHI HEALINGや妻とのデュエットのTOSHI & WANKUなど、いろんなプロジェクト、いろんな楽曲がありますので、ぜひCDも聴いてください。
今日はどうもありがとうございました。

以下、本誌に続く

TOSHI with T-EARTH 〜 大切なもの