南アフリカ 〜自然保護官の仕事〜
南アフリカ共和国のクワズール・ナタール(KwaZulu-Natal)州は、世界でも有数の生物多様性に恵まれた地域です。
インド洋に面した海岸線からドラケンスバーグ山脈の高地まで、多様な生態系が広がり、希少な野生動物や植物が生息しています。この豊かな自然遺産を保護・管理する中心的な役割を果たしているのが、Ezemvelo KZN Wildlife(エゼムベロ・KZN野生生物局)です。そして、その最前線で日々活動しているのが、自然保護官(RangerやSection Rangerなどと呼ばれる職員たち)です。
彼らは単なる「監視者」ではなく、生物多様性の守護者、コミュニティの橋渡し役、そして未来世代のための自然の語り部として、重要な使命を担っています。
Ezemvelo KZN Wildlifeは、1997年のKwaZulu-Natal Nature Conservation Management Actに基づいて設立された州の機関で、120を超える保護区を管理しています。
自然保護官は、これらの保護区でパトロール、違法狩猟(ポーチング)の防止、野生動物のモニタリング、生息地の修復、観光客の安全確保、そして地元コミュニティへの環境教育といった多岐にわたる業務を遂行します。
自然保護官になるためには、Nature Conservationの専門教育(National DiplomaやB Tech)を受け、環境管理員(EMI)資格を取得し、銃器の取り扱い許可や運転免許など、厳しい要件をクリアする必要があります。
現場では、知識だけでなく、忍耐力、体力、そして地域住民との信頼関係構築が不可欠です。クワズール・ナタール州の保護区では、伝統的なズールー文化と現代の保全活動が融合しており、自然保護官は地元コミュニティと協力して持続可能なエコツーリズムを推進しています。
このような自然保護官の活動は、南アフリカの自然全体にとっても極めて重要です。
Ezemvelo KZN Wildlifeの自然保護官たちは、単に法を執行するだけでなく、持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献しています。
Ezemvelo KZN Wildlifeの公式サイト(https://www.kznwildlife.com/)では、最新の保護活動や訪問情報が公開されています。自然保護官の視点から見たクワズール・ナタールの魅力に触れることで、私たちの自然観も大きく変わるはずです。

参考バックナンバー:nature vol.10