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INTERVIEW

地球について考えるのは特別な事ではないという意識が大切です。

INTERVIEW

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元環境大臣 小池百合子
聞き手:沖縄実行委員長 光永勇

アジア諸外国から漂着する危険なゴミの問題は、 地方行政やボランティアだけでなく、 国際レベルで対策しなければ解決できません。 漂着ゴミ問題の現状と今後の解決策について、 2009年に小池百合子先生にお聞きしました。

沖縄の島々に漂着する深刻なゴミ処理の問題

光永 今、石垣島・西表島・宮古島、そして沖縄本島では、漂着物が大変な問題になっています。

小池 竹富町もですね。

光永 はい。それ以外の島々にも漂着していています。いち地方の行政だけでは、どうにもならないと思った竹富の町長さんから「アースデイのイベントで取り上げていただけないか」と話がありました。私たちもボランティアで月に一回、漂着ゴミの清掃をしているのですが、竹富の町民は一家庭あたり200円、それから個人で100円を負担して、その費用に充てていますが、とても追いつくものではありません。

小池 なるほど。

光永 ゴミの処理ですが、家庭の一般ゴミは市町村行政が、そして産業廃棄物は県が中心です。こういう外国からの漂着ゴミは、どこの行政が処理するのか、よく分からないと非常に困っておられます。ぜひ、これを国際的に取り上げて、外国から来られるみなさんにも協力していただきたいのです。これはアースデイの運動でしか解決できない事だと思っています。アースデイをきっかけに、来年世界大会を沖縄で開催できないものかと呼びかけをしていきたいのです。

小池 そうですか。沖縄の漂着ゴミは、アメリカの人に言っても、イギリスの人に言っても、それぞれ地域的なものがあります。アジアの国々で、環境大臣会合などで出しているテーマなので、むしろそちらで明確にする方が効果的だと思います。
漂着ゴミは、自分たちが出したゴミではないのに、始末は自治体に迫られる。例えば能登半島もそうなのですが、地形的に漂着ゴミが集まってしまう所があります。湾に溜まりやすい所は本当に苦労していらっしゃる。そういった地域に国の補助を出すようにしています
。  一方で、近隣のアジア諸国がより豊かになれば、その分だけゴミが増えてしまいます。環境教育を、各国の大臣と一緒にやっていきましょう、という対応を進めているところです。これを徹底する事が良いのではないかと思っています。

アースデイを世界の祝日に

光永 アースデイ(4月22日)は、土曜日、または日曜日に当たった時は、非常に盛り上がるのですが、平日に当たった時は、なかなか盛り上がらないのです。そこで4月22日をアースデイとして、その日に近い土曜日、または日曜日に全国でイベントを開催し、地球について考えたり、世界平和を祈ったり、あるいは国によっては運動をしたり、という日にしていきたいと思っています。少し大きなスケールの話ですが、4月22日を世界の祝日に提案したいと思っています。

小池 日本は休日が多いので、わざわざ休日にしなくても、地球の事を考える日が毎日であっても良いのではないでしょうか。むしろ特別ではなく、当たり前な事にしなくては。イベントを盛り上げるのがアースデイの目的ではないのですから、意識を高める事が大切なのではないでしょうか。

4月22日がアースデイで、それから6月は環境月間ですから、そういった形で、もっと国民の意識も高まっていけばと良いと思っています。そういう意識の方も高まりつつあるのではないかと思います。…..【 以下、本誌へ続く 】

nature vol.9 June.2012 参照